基礎心理学ー学習について②ー
こんにちは。以前「学習」に関する記事を書きました。
その時、「レスポンデント条件づけ」と「オペラント条件づけ」の二つの条件付けがあることを紹介し、前者を説明しました。
そこで今回は「オペラント条件づけ」についてお話をしたいと思います。
オペラント条件づけ
前回紹介した「レスポンデント条件づけ」は条件反射による学習、つまりは意識の伴わない生理学的な反射や感情の反応であることを説明しました。
「オペラント条件づけ」はその逆で、特定の条件に対して、自発的で意図的な反応をし、反応から生じる結果によって、行動の「強化・除去」が形成されます。
例えば、
「学校から宿題が出る(弁別刺激)→宿題を行う(オペラント反応)→褒められる(強化)↝うれしくて新たな宿題を行う(強化行動)」
といった学習のプロセスをたどります。
このオペラント反応の後に、その反応を増大させる手続き(強化)が生じることで、似たような場面でも同様の行動を反復すると考えられています。
この関係を三項随伴性といいます。(弁別刺激ーオペラント反応ー強化)
ABCの機能分析
三項随伴性は刺激(Antecedent)、反応/行動(Behavior)、結果(Consequence)のに分けて行動のプロセスを理解しようとする理論になります。この各単語の頭文字をとってABC機能分析とも呼びます。
結果により行動に強化(増加)または弱化(減少)が起こる流れを随伴性といいます。
先ほどの宿題の例を整理すると
刺激:宿題が出る
反応:宿題を行う
結果:褒められる
随伴性:うれしくて、また宿題をやる
といった流れが形成されていることがわかります。
望ましくない行動を減らす
大まかな流れを説明してきましたが、普段の生活では、上記の例のようにスムーズに事が進むことはそれほど多くないと思います。
例えば子どもの行動で考えれば、
刺激:宿題が出る。
反応:やらずに提出しない。忘れたと言う。
結果:先生に叱られる。
といったことはよくあると思います。
この時、宿題をしっかりやるように注意するのが一般的な対応かとおもいますが、なかには注意しただけでは宿題に取り組まない子どももいます。
そんなときには「反応/行動」の前後に注目するとよいです。
刺激である「宿題」に注目して考えると、もしかしたら子どもの学力が追い付いていなく、取り組むことができない状態にあるかもしれないという仮説を立てることができます。
また先生に叱られるという結果が子どもにとって望んでいた対応であった場合(注意引き)、先生の行動は子どもの行動を「強化」していると考えることもできます。
相手が望ましくない行動をとっていた場合、反応そのものに注目するだけでなく、その前後の文脈にも注目し、適切な介入を検討することが大切です。
このような、人間の行動を個人と周囲の環境との相互作用の枠の中で分析し、問題を解決していく理論・実戦のひとつに応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis)というものがあります。
まとめ
- 自発的で意図的な反応を条件づけることをオペラント条件づけという。
- 刺激ー反応ー結果(強化/弱化)の関係を三項随伴性という。
- 特定の行動を個人と環境の相互作用としてとらえ分析し、問題を解決していく理論・実践に応用行動分析がある。
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