基礎心理学-モデリングー
こんにちは。
今回は学習方法のひとつである、観察学習-モデリングについて話をしたいと思います。
観察学習
人が学習をする際に最もポピュラーな学び方ともいえる学習方法に、観察学習-モデリングというものがあります。
アルバート・バンデューラという心理学者により提唱された理論で「見ることで学ぶ」学習を言います。
生活をするなかで、みんなと同じ経験をすることはできないと思います。
ですが、その人の話を聴いたり、行動を見ることで、同じようにふるまうことができるようになるといった経験はないでしょうか。
こどもの行動で見ても
- 先生に褒められている友達の様子を見て同じように行動する。
- 人気にある生徒と同じような服装や趣味を真似る。
- 悪ふざけの様子を見て楽しく感じ一緒に悪ふざけをしてしまう。など
モデリングが生かされていることがわかります。
好ましい行動-望ましくない行動
上記の子どもの行動の例からも見て取れるように、モデリングは好ましい行動の学習のみでなく、軽いものは悪ふざけから、重大なものでは攻撃行動や非行、犯罪にかかわる行動までにも影響を与えることがあります。
子どもが望ましくない行動を学び実践しているときは、行動に対して周囲がどのように受け取るかや、倫理感についてしっかりと理解しているわけではなく、行動をすることによってもたらされる結果に影響を受けて活動していることが多くあります。
- 「〇〇することで心配してもらえる」
- 「〇〇することで独り占めできる」
- 「〇〇することでみんなが楽しむ・喜ぶ」など
行動による結果が自分にとって強化子として働く際に同じ行動を繰り返します。
モデリングでは、そのような結果を他者が享受しているのを見て、同じような結果を享受したいと思うことで、同じ行動をとることがあります。
人とかかわる機会が少なくなっている
他者の行動を見て学ぶという貴重な能力を人間は 持ち合わせていますが、現代社会においては、直接的に人とかかわるという機会が少なくなってきているとも言えます。
それは子育てにおいても影響を与えているといえます。
様々な対人関係スキルを他者から学ぶ機会が少ない環境で育った親は、自分の子どもに対して、適切な対人関係スキルを教えるモデルとしてうまく機能しない恐れがあります。
そして、そのような状況に対して、適切に対人関係におけるスキルを身に着けていくために意図的に各スキルを訓練する機会を設ける必要性が出てきました。
この意図的に各スキルを訓練していく機会をソーシャル・スキル・トレーニング(SST)といいます。
ソーシャル・スキル・トレーニング
SSTは学校でいう5教科と同じように、あるジャンルにおけるかかわり方や振る舞い方などを、取り出し授業の形で習得を促していると考えるとイメージしやすいかもしれません。
そしてSSTにおいてもモデリングの理論を取り入れて訓練をしていくことが重要になります。
一般的な流れとしては
- 説明
- モデリング
- 練習
- フィードバック
の流れを何度も繰り返すことで効果的にスキルを身に着けていきます。
まとめ
- 学習方法の1つに「見ることで学ぶ」観察学習(モデリング)というものがある。
- モデリングは好ましい行動・望ましくない行動どちらにも学習の効果を与える。
- 意図的にスキルを身に着けるための機会としてSSTというものがある。
- SSTは各スキルの取り出し授業。
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