この子はできる子!!-能力と心の関係-③
前回は対人場面における能力の発揮についてお話ししました。
今回はその活動による結果や、能力向上のための関わり方についてお伝えしたいと思います。
もくじ
精一杯をつづけるとどうなるのか
前回、関わりの中で相手に無理をさせてしまう恐れについて触れました。
では、無理を続けると人はどうなるのでしょうか。以下のようなことが考えられます。
- 活動が長続きしない
- 普段できていたことに対しても意欲が低下してしまう
- 上手くいかなかった体験(失敗体験)となり自己評価が下がってしまう
このような状態に追い込んでしまっては本末転倒です。
活動そのものに取り組めないのであればその場においては成果が見込めないだろうし、将来的にそこまで成長したであろう事象にも辿り着けなくなってしまいます。
言葉がけを考える
もし、相手のことを想うのであれば
- 相手の状態を把握し(心身の状態)
- どのような言葉がけが効果的かを考え
- その言葉に対する反応を評価する
ことを繰り返すことが大切になると考えられます。
特に伸び悩んでいる子どもの場合は自己を過少に評価していたり、失敗することに対して極端に抵抗を示すことが多いように思われます。
そのような気持ちが強くなるような言葉がけは逆効果になりかねません。
ともすれば相手の気持ちを汲む関わりがお互いに必要となります。
地の力を上げていくには
自己評価の低い子どもも含め、多くの人が能力を向上させていくには以下のような関わりが有効と考えられます。
- 現状(能力や課題など)を共有し次の課題が何かを明確にする
- 段階に分け着実に達成できていることを味わう
- 失敗することの意味を共に考える
何ごとも本人のペースを尊重した関わりが大切になります。
承認を得たいひと
自分の努力や成長を他者に認めてもらうことで達成感を感じる人もいると思います。
そのようなときは、褒めることが大切になります。これは大人子ども関係ありません。
ここで間違えやすいのは「結果を評価してしまう」ことです。結果を評価するということは「テストで100点取らないと褒めません」と言っているのと同じです。
そうでなく本人の努力した姿や行動を褒めることが大切です。
褒めることで自分の行動が良いことであると受け取ることができます。
そして、そのような関わりを続けていくなかで、次はどうすればよいのか取り組みそのものに関心が向けていけるよう声掛けをして行くことで、次第に自分のための活動へと考えが切り替わっていきます。
まとめ
- 無理をし続けると意欲は低下する。失敗体験にも繋がりやすい。
- 失敗が続くと自己に対する評価も下がってしまう。
- 相手の状態や効果的な声かけを客観的に把握することが大切。
- 本人のペースを尊重する
- 本人の行動や努力する姿を褒める
ひろくん@心理士(神経心理学)/@kuroro0829