人間関係で悩むあなたへ
ストレス社会とどう向き合うか
生活をする中で避けて通れないのが人間関係におけるストレスでしょう。
毎日顔を合わせる必要のある上司や同僚、地域の住人、家族、友人、恋人などなど。
他者との交流は人生を豊かにしてくれますが、その反面、健康に影響を与える大きな要因にもなります。そんなストレスを皆さんはどのように対処されていますか?
人はどのようにして人間関係でストレスを感じるのか
他者との関係においてストレスというのは様々な場面で感じています。
対人ストレッサーの研究による、人間関係におけるストレスは他者からネガティブな態度や行動をとられた際に生じる「対人葛藤」、自他ともにネガティブな心情や態度を明確に表出してはいないが、円滑な対人関係を維持するためにあえて意に添わない行動をしたり、相手に対する期待はずれを黙認したりする際に生じる「対人摩耗」、自身に非があって相手に迷惑や不快な思いをさせてしまう際に生じる「対人過失」といった3つに大きく分類されるそうです。
不機嫌そうな表情や態度を示す上司を見るだけでヒヤヒヤしたり、自分の意見を否定されたときにイライラすることはよくあると思います。
また、直接その人に意見しなかったり、けん制し合う中でお互いの言動に過敏になったりと我慢を続ける中でストレスを感じるということもないでしょうか?
このように、様々な状況のなかで人は対人ストレスを感じるものであることが分かりますね。
ストレスが健康に及ぼす影響
ストレスを感じた人は、心身ともに様々な反応を示します。
心の状態としては気分が落ち込んだり、イライラしたり、無気力感を感じます。そして身体の反応としてはお腹が痛くなったり、夜眠れなくなったりといった異常が出やすくなります。
そのような状態が続くと、日常生活を継続するための行動を起こすことも難しくなり、場合によっては病院に行くなど専門的な対処が必要になることがあります。
そうならないためにも日々の対人ストレスとはうまく付き合っていく術を身に着けていきたいところですよね。
どのようにストレスを対処するか
そもそもストレスのもとになる出来事や刺激を「ストレッサー」と言います。そしてそのストレッサーに対してとる対処行動を「コーピング」と言います。
コーピングの種類は大きく3つに大別できます。
[問題焦点型コーピング]
環境を変えるために行動を起こす行動で、心配のもとになる問題を解決しようとすること。
[感情焦点型コーピング]
環境を変えるのではなく、自分の感情を調整すること。環境を自分で変えることができないときに用いられやすい。
[抑圧型コーピング]
脅威となる刺激を意図的に無視すること。あまり重要でないと評価された状況で用いられやすい。
傾向としては問題焦点型コーピングをしやすい人ほど抑うつや不安が弱く、感情焦点型コーピングや抑圧型コーピングをしやすい人ほど抑うつや不安が強いといわれています。皆さんはどのような傾向がありますでしょうか?
よく見られる失敗
さて、生活をする上でストレスに曝される機会というのはたくさんあるのですが、そこで対処に失敗している人をこれまでに多く見てきました。
例えば、変えられない環境を変えようとしたり、必要以上に我慢し続けたりすることで体調を崩している人達です。仕事場で出来上がった文化に対して無理に環境を変えようと衝突したり、弱音を吐くのは良くないという考えが強く気づいたら調子を崩してしまったりなどです。
ストレスと上手に付き合っていくためには、社会と円滑に意思疎通するためのコミュニケーションスキルと、自身の状態を適切に把握するための内省力が大切です。
自分の状態に気付くことはできても他者と良好な関係のもと状況を共有することができなければ健全に解決策を見いだすことはできません。逆に、いかに円滑にコミュニケーションをとることができたとしても、自身の状態を適切に把握することができなければ共有する材料を用意することができません。
自分と社会(外界)はお互いに繋がりあっているため、内と外の両方に対してアクションをとる必要があります。
皆さんの普段のストレス対処はどのような傾向があるでしょうか?
上記のような視点から考えてみるとさらに新しい発見があるかもしれませんね。
良かったら参考にしてみてください。
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