何のために働くのか?
日本とドイツの生産性の違い
とあるニュース記事を見て驚いたことがありました。
ドイツの生産性は日本より40%高いそうです。
具体的には日本の一人当たりの年間総実労働時間はドイツに比べ317時間多く、1日8時間労働に換算すると約40日もドイツより多く働いているにもかかわらず、一人当たりの生産性はドイツの方が高いとのことです。
どうやら、この数値に影響を与えている要因としては、働くことへの考え方や、生活の姿勢の違いが大きな要因となっているようで、労働者と消費者のどちらに重きを置いているかの違いなのだそうです。
労働者の権利に重きを置き労働者が働きやすい環境づくりに力を入れてきたドイツと、消費者の権利「お客様は神様」といった意識に重きを置き消費者の需要を満たすための環境づくりに力を入れてきた日本との違いが働き方にも大きく影響しているようです。
また労働の位置づけも異なるようで、日本は平日に働き休日に特別感を抱く傾向にありますが、ドイツでは平日を「働く日」と表現し、働くことに特別な意味を見いだし、週にどれくらいその特別な日があるかに着目しているそうです。
そのような捉え方は働き方の違いにも大きく影響しているようで、労働に尊さを見いだし、勤勉であることが美徳である日本の文化とは対照的に、ドイツではその職場で働くことが辛くなったら躊躇せずに次の仕事を探す人が多いそうです。
その他にも様々な要因が関係していると思いますが、大変興味のある内容ですね。
私は社会学・経済学が専門ではありませんが、心理学的側面から見ると同じ時間を与えられながらも結果が異なるということについては、価値観やモチベーション、所属する文化や環境という視点で考えると大変納得のいく内容でした。
参考記事:
生産性が「日本人より40%高い」ドイツ人が、月~金を「平日」と呼ばない理由(隅田 貫) | マネー現代 | 講談社(1/5)
働くことへの動機
さて、みなさん十分な生産性を発揮することができているでしょうか?
経済学的な生産性について語ることはできませんが、その人が持つ労働力を十分に発揮することを考えた場合、働くことへの価値観やモチベーション、働く文化や環境というのはその人のパフォーマンスと密接に関係しているといえます。
働くことへの価値観やモチベーションについてみていくと、実際に何かをするときにはその人に動機が必要になります。
これは様々な欲求を満たしたいという気持ちから生じてきますが、働くことを例に見ると「お金が欲しい」「安定した生活を送りたい」「自己研鑽したい」などといったものがあげられます。行動はこの動機から始まりますが、その行動を維持するためのモチベーションにはお金や承認といった外的な報酬に加え、自分で自分を褒めたり、目標を定め評価したり、価値を見いだし気持ちを高めたりする力といった内的な報酬があります。
そのうえで、先ほど紹介した記事も含めて考えたところ、日本の人は外的な報酬を求めて労働をする人が多いのではないかということを感じました。
これはもちろん、外的な報酬を求めることが悪いということではありません。
働く上では立派な動機になりますし、場合によっては外的な報酬(簡単な例でいえばお金)が必要で働かざる負えないという方も多くいらっしゃると思います。
ですが、お金について考えてみると次の年に昇給をしなかったら、会社の不振により減給したらどう感じますでしょうか?
多くの人は不満を抱くか、上司に相談をすると思います。
転職を考える人もいるでしょう。
そうなると翌年の働くモチベーションは低くなってしまうのではないでしょうか?
つまり、働くモチベーションを自分以外の外部の環境に委ねてばかりいると、環境が変化したときに自分の気持ちも左右されやすくなり、場合によっては安定したパフォーマンスが発揮できなくなってしまうということです。
これは、他者からの称賛や承認を求めて活動する場合も同じで、それらが得られなくなったときに自身を振り返り、立ち直ることができなければ、新たな一歩を踏み出すのに大きな労力が必要となります。
場合によってはそれが挫折や失敗となり精神的な不調をきたしてしまう場合もあります。
このように自分以外の外部の環境に依存した働き方というのは何がしかのトラブル(金銭問題や対人関係など)に発展することが多いように感じます。
実際に自分のことや、職場の同僚の様子を観察してみるとちょっとしたとある傾向が見えてくるかもしれません。会社や上司・同僚に対して不満や愚痴を吐いている人には転職歴が多いのではないでしょうか?
自分の働く動機を考える
働く上で皆さんはどのような動機を持っていますか?
どこの職場においても長く働き続けている人というのは必ずいると思います。
そのような人たちの大半は自分の内側に労働に対する前向きな思いや価値観を見いだしていることでしょう。
常に自分のことを客観的に観察する習慣を身に着けることが大切です。
健康的に働き続けられる内部と外部の動機のバランスを見いだし、自立した生活を送っていきたいですね。
ツイッターでも日々の考えをアウトプットしています。
フォローのほどよろしくお願いいたします!