Therapist-Works

現役心理士がお伝えする心の健康に関する情報発信ブログです!

心理士の1日

 どうも、ひろ君@心理士(神経心理学)です。

今日は僕が以前勤めていた精神科病院での1日をサクッとお伝えします。

 

もくじ

 

 

1日の流れはこんな感じ

曜日によって内容は多少変わりましたがおおむね以下のような流れで活動していました。

 

  • 8:00  出勤

           ↓

  • 8:30  勤務開始/ミーティング

           ↓

  • 9:00  外来業務

      ↓

  • 12:00 昼食

           ↓

  • 13:00 病棟業務

           ↓

  • 15:00 報告書作成

           ↓

           ↓

  • 17:30 退勤 

 

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ミーティング

朝のミーティングでは院内で確定した事項の共有や、各心理職員の1日のスケジュール確認、医師からの心理オーダーの割り当てなどを行います。

 

心理士ひとりひとりが得意とする分野が異なっていたことから(心理療法心理検査、対象疾患など)各スペシャリストから意見を求める際に、個々のスケジュールを把握できるのは大変有益でした。

 

困った時にすぐに相談できる環境で、必ずしも一人で業務にあたるわけではないというのは心強かったです。

 

 

外来/病棟業務

外来/病棟業務では、主治医から出された心理オーダーに従い各患者さんに対して、心理検査、心理面接などを中心に業務を行いました。

 

精神科病院ですので、患者さんは統合失調症をはじめ、うつ病神経症、知的障害、発達障害高次脳機能障害など様々な診断のある方に対して心理面接を行いました。

 

心理検査は、知能検査、認知機能検査、人格/性格検査、発達検査など主治医の意向に合わせバッテリーを組みアセスメントしていました。

 

また、退院促進のための疾患を理解するための教室や、当事者同士で語り合うピアサポートなど、グループ活動にも進行役として参加し支援に携わりました。

 

特定の疾患や検査のみに関わるだけでなく、全般的な取り組みができたのは今の僕にとって大きな財産になっています。

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昼食 

うまい!病院の食堂にはお世話になりました。外部業者に委託していたこともありかなりおいしい食事を頂いていました。ごちそうさまでした。

 

 

報告書作成

実施した心理検査の結果をまとめ所見を作成することも心理士の大切な仕事のひとつです。いくつかの検査結果から見られる患者さんの特徴を、主治医をはじめ他職種および周囲の関係者にわかりやすく伝えるにはどのようにまとめればよいかいつも考えていました。

 

その後、何度も報告書を作成していくことでまとめ方のコツを掴むことができ「文章をまとめること」に一生懸命だったのが次第に「どう伝えていくか?」に考えが移行していきました。

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ケーススタディ/勉強会

心理士に求められる姿勢のひとつは生涯学習です。臨床経験に関係なく常に新しい知見を吸収し、明日の臨床に活かしていくことが大切です。

 

ケーススタディとは事例検討/事例研究と言われるもので、担当心理士がケースを発表し、より良い支援方法は何かを皆で考えていきます。

 

勉強会では最新の知見や、治療に必要な情報を共有して支援の質の向上を図ります。

 

このような場では駆け出し心理士からベテランまでが対等に意見を交わすことで、互いを高め合います。

 

駆け出しは治療技術を獲得していくために、ベテランは初心に振り返りあるべき心理臨床を再確認したり、後輩心理士育成などの機会として活用していきます。

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チリも積もれば…

はじめて精神科病院に勤務した頃は自分が医療機関で働いていることにピンときませんでした。

 

しかし、毎日、患者さんや他職種の方と関わり心理業務を担っていくことで、心理士の役割やその重要性、限界などを学ぶことができ、責任・誇りをもって仕事をしていくことが出来るようになりました。

 

この業界は必ずしも裕福な報酬が得られるわけではありません。

 

それでも、心理士として活動しているのは、人とふれあい、心の成長を共に感じていけるところに魅力を感じているからかもしれません。

 

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次回予告

さて、心理士のいちにちを振り返る中で「具体的になにやってるのさ?」と思った方もいらっしゃると思います。次回からはそのひとつひとつを具体的に説明していきたいと思います。